手間をほどく Note for the Quiet Workdays

時間の消耗

平日の自由時間が消える理由を分解する

「自分の時間がない」と感じる夜は、時間が無いというより、気がついた時には別のことで埋まっています。10年の一人暮らしで見えてきた、時間が消える経路を分解します。

「自分の時間がない」と気づくのは、たいてい夜です。仕事から帰ってきて、ごはんを食べて、シャワーを浴びて、気がつくと 23 時を回っている。本を読もうと思っていたのに、ノートをつけようと思っていたのに、結局スマホをいじって寝る。これを 5 年くらい繰り返していました。

時間が無いというより、気がついた時には別のことで埋まっている。これが「自分の時間がない」の正体だと、いまは思っています。この記事は、平日の自由時間が消える理由を分解する入り口の記事です。

「時間がない」の中身を書き出してみる

私はある時、平日の 18 時〜23 時を 30 分単位で書き出してみました。

時間帯過ごし方集中しているか
18:00-19:00通勤・帰宅ぼんやり
19:00-20:00夕食・片付け並行作業
20:00-21:00お風呂・洗濯ぼんやり
21:00-22:30スマホ・SNS・動画散漫
22:30-23:30寝る準備・スマホ散漫

ここで気づいたのは、21 時以降の 2 時間半は「自分の時間」のはずなのに、ぜんぶスマホに消えていたことです。仕事と家事で時間が無いのではなく、自分で空けた時間を、自分でスマホに渡していた。これが私の場合の「時間が消える」構造でした。

時間が消える経路を整理する

10 年の一人暮らしで見てきた範囲で、自分の時間が消える経路はいくつかに分けられます。

  • 家事の積み上げ: 平日に家事を貯めると、夜の自分時間を侵食する
  • 通勤の長さと密度: 通勤時間が長いほど、本を読む or ぼんやりする選択が出る
  • 夜のスマホ時間: 21時以降の「無自覚な時間溶け」が最大の侵食
  • 週末予定の詰めすぎ: 平日の疲れが残ったまま週末を消費する
  • 判断疲れ: 仕事の判断で消耗すると、自分時間で何をするかの判断も出てこない

これらは別物に見えますが、根っこは「時間の入り口で『何に使うか』を決めていないこと」にあります。決めていない時間は、最も誘惑の強いもの(多くはスマホ)に吸い込まれます。

時間を「空ける」と「使う」は別の話

ここで分かれ目になるのは、「時間を空ける」と「時間を使う」が別の問題だ、ということです。家事を仕組みに逃がして時間を空けるだけでは、自分の時間は増えません。空いた時間を「何に使うか」を決めておかないと、結局スマホに渡してしまいます。

家事を仕組みに逃がす話は掃除が続かない理由と、続けないで済む仕組み献立を考えるのがしんどい理由と、考えない仕組みの作り方に書きました。空いた時間の使い方は、別の設計が要ります。

30 分でいい、と決める

自分の時間を取り戻す最初の一歩として、私が始めたのは「平日夜に 30 分だけ自分のために空ける」と決めることでした。1 時間でも 2 時間でもなく、30 分。これくらいなら、家事を仕組みで逃がした後に確実に確保できます。

30 分の使い道は、読書・ノート・ストレッチ・ぼんやりする、のどれか。前もって「今日は本を読む」と決めておくと、その 30 分はスマホに渡らずに済みます。具体の手順は平日夜の 30 分を確保する 一人暮らしの設計に書きました。ひとり時間に何をするかを、動画・音楽・読書のサブスクで用意しておく考え方は一人暮らしのひとり時間に効くサブスクの選び方にまとめています。

通勤時間と週末の使い方も別の話

平日夜の 30 分が確保できると、次に効くのは通勤時間と週末の使い方です。通勤時間は、ぼんやりするか・本を読むか・スマホをいじるか、で過ごし方の質が大きく変わる時間帯です。週末は、予定を詰めすぎないことで、平日の疲れを抜く時間に変わります。詳しくは通勤時間を自分の時間にする 私の運用スマホに奪われる時間を取り戻すで扱っています。

「自分時間」は気力ではなく、設計で残す

総務省の社会生活基本調査では、単身世帯の生活時間配分が職業や年代で大きく異なることが示されています。自分の時間をどう確保するかは、私のような働き方では設計のテーマで、根性論でどうにかなる類のものではありませんでした。

自分の時間がない、を分解すると、消える経路はいくつかに絞れます。経路を一つずつ塞ぐより、まず 30 分の予約席を確保する方が、私の場合は続きました。この記事をたたき台に、平日夜・通勤・スマホ・週末の 4 本に分けて書いています。

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